英語と年収の関係 in 日本、東南アジア

Cited from : ダイアモンドオンライン
URL : http://diamond.jp/articles/-/39584?page=2



英語ができても
年収が上がらない日本

 日本や韓国で外資系企業に実際に勤務している人の割合が低いことに関連して、これらの国では外国語である英語ができたとしても、あまり年収に反映されないという事情がある。英語レベルの違いと年収との関係を説明したい。
 図表2は国ごとに英語のスキル(回答者本人の自己評価)を表したものである。ビジネス上のプレゼンテーション、交渉力がある上級レベルにあたる人は、英語が公用語であるインドでは4割強、マレーシアでは3割弱と高い水準となっている。
 一方、日本は2.6%、韓国は5.2%といずれも低い水準で、その後にタイ、ベトナムと続く。上級レベルと中級レベルを合わせると、英語がそれなりにできる人の割合は、東南アジアの場合、軒並み半数を超えているのに対し、日本は1割程度、韓国は3割強に過ぎない状況だ。
 では、英語のレベルによってどれだけ年収は異なるのだろうか。東南アジア諸国では初級レベル以下に対して上級レベルでは年収が平均して5割以上となっており、タイとマレーシアは2倍以上となっている。中級レベルについても程度の差はあるが、初級レベル以下と比較して2割以上となっている。
 この中で特異であるのはインドと日本・韓国であり、英語のレベルによる年収の違いがあまり見られない。インドの場合、英語は公用語なので、できて当たり前であり、英語のレベルによって年収が変わることはないのが当然だ。日本と韓国では年収差は見られない。
 では日本や韓国でもなぜ年収差がみられないかといえば、理由は二つ考えられる。一つは、本人は英語ができなくても、通訳や翻訳などのサービスが利用できるからである。もう一つの理由は、他国と異なり、英語を必要としない収入の高い仕事が国内に多く存在することがある。いずれにせよ、これらの国では産業が成熟しており、あえて英語を勉強してできるようになったとしてもそのリターンは少ないかもしれない。
 国の成熟度によって、外資系勤務志向や英語の語学力に違いがある中で、日本企業が進出する東南アジアを中心として、今度はどの国籍の企業で働きたいかについて見ていきたい。

コメント

人気の投稿