世界のビジネスメール 伝説の元アップル・ジャパン社長が教える...................


Cited from : Diamond Online 
URL http://diamond.jp/articles/-/35025

伝説の元アップル・ジャパン社長が教える
「これからの世界」での働き方 5 

“長文メールは言い訳にすぎない。メールは短く簡潔にする”


外国人とメールをやり取りした経験のある方はわかると思いますが、メール文はそっけないくらい短いです。

ダメなときは「NO」と書かれたメールが返信されてきますが、このときは24時間たっても何のメールも来ませんでした。日本人の感覚だと、「相手は納得していないのでは?」「まだ怒っている?」と気が気ではありませんが、返事がないのは「納得した」という合図になります。
 世界のメールはこんな具合です。だから、メールに頼ったコミュニケーションをしている限り、外国人とのやり取りはかなり困難だということは理解しておいたほうがいいかもしれません。フェイス・トゥ・フェイスで相手の目を見て、反応を見て、相手の要求を聞き取り、適格なコミュニケーションをする力が絶対に必要なのです。
日本は世界の中でも特にメールを使ったコミュニケーションが高度に発達していて、すぐレスポンスがくることに独特の意味を持たせたり、打ち合わせ後のお礼メールを一つの礼節ととらえたり、長文で自分の思いを切々と語るためにメールを活用したりと、その使い方はさまざまです。
 しかし、世界から見ると、そうしたメールの使い方は実は相当特殊です。どっちが良い悪いという問題ではないのですが、残念ながらそうした力作メールをやり取りする習慣は世界にありません。
 逆に、長文メールを送る人を、考えがまとまっていないと判断することさえあります。私のメール文は、外国人から笑われるほど短いですが、アップル時代、スティーブにメールをするときも、3行以内で収めるように意識していたほどです。
 日本人の感覚だと、直接的に表現するのはどうも憚れて、つい遠回しに表現したり、相手の感情を損ねないために、背景や気遣いを入れてしまいますが、これは「相手に正確に伝える」ことを重視するプレゼン文化が浸透した欧米では、まったく理解されません。長いメールはただの言い訳にしか映りませんし、長いというのはブラッシュアップされていないことの証拠なのです。
 文面を短くすることは、何より自分が考えて考え抜いてどうしたいのかという「考えた痕跡」を表明することになっているのです。
 「~をやってほしい。なぜならば……」
「私は~したい。なぜならば……」
「了解してほしい。ダメなら……」
 などと、自分が言いたいことや相手にしてほしいことを一つか二つに絞るようにします。メール文が長くなるのは、言いたいことが絞りきれていないからであり、優先順位を見直す必要があるのです。
 このあたりの感覚は日本的なメールコミュニケーションに慣れた人からすると、かえってそっけないように思えるかもしれませんが、コミュニケーションのスタイルとして知っておきたいことです。
 あるベンチャー企業のCEOであるイギリス人が、日本人のメールの文面は、いつも意味もなく「Thank you」だとか、「I'm sorry」を連発していて、結局何を言いたいのかよくわからないと言っていましたが、世界でのやり取りでは、言い訳は一切通用しないので、考えを絞り、メッセージを明確にすることだけを心がけましょう。

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